こんにちは、管理栄養士まるこです。
世は、空前の腸活・菌活ブーム。健康ブームの高まりから、腸内環境を正常に保つ「腸活」への意識が高まっていますね。
そこで今回は、米麹から作る「甘米麹」のレシピをご紹介します。
材料は「米麹」と「水」のみ。
お持ちの炊飯器で簡単に作れるので、「市販の甘酒は砂糖や添加物が気になる」「節約したい」という方におすすめです。
調味料として使いやすいように麹甘酒を「固作り」にしてあるので、砂糖の代用としても使えます♪
今回の甘米麹は、フリーアナウンサーで発酵マイスターの資格も持つ富永美樹さんのレシピ『麹甘酒』をもとに作成しています。シャ乱Qまことさんの奥様です!
ちなみに、とろとろの甘ーい本格的な米麹甘酒を作るなら、温度管理が簡単な「ヨーグルトメーカー」や「発酵フードメーカー」を使って作るほうが手軽でおすすめ!
はじめに。麹が身体に良いと言われる理由と甘酒の効能
発酵することのメリット
食物が発酵すると、発酵の過程でそれ以前にはなかった新たな栄養素が加わります。
新たな栄養素とは、ビタミンやアミノ酸。
麹から作った甘酒には、人の体内では作り出せない必須アミノ酸が9種類、疲労回復につながるビタミンB群も豊富!
また、発酵することで作られる「酵素」が食物を分解し、人体での消化吸収がしやすくなります。
そのため、甘酒のもつ栄養素の吸収率がグーンとUPします。
甘酒のスゴい健康効果
高い栄養価だけでなく、美白効果も期待できるようで、「飲む点滴」「飲む美容液」とも呼ばれています。
お正月によく飲まれる甘酒ですが、江戸時代では夏バテ予防のために夏場に飲むのが定番のスタイルでした。
甘酒は成分中の20%以上をブドウ糖類が占めており、脳の活性化や疲労回復に繋がります。
また、飲み続けることで腸内の善玉菌を増やし、腸内環境の改善効果があるとも考えられています。
他にも、麹菌には活性酸素の除去やメラニン色素の除去などの効果が期待できると言われます。
麹菌の特徴
繰り返しになりますが、食物が発酵すると食品の中に「酵素」が作り出されます。
麹菌は、納豆菌と並んで酵素を多く生成する菌のひとつ。
麹菌は「アミラーゼ」と いう酵素を生成し、このアミラーゼはデンプンをブドウ糖に分解し甘さを作り出します。米麹を発酵させて甘くなるのは、お米のデンプンを麹の力で甘く分解させているからです!
そのため、60℃以上になると酵素は働きを失ってしまうので、製造過程での加熱しすぎは禁物。
麹菌自体も死滅してしまいます。
ちなみに、死菌でも腸内環境の維持に重要!
死んだ菌は『死菌』と呼ばれます。
生きた菌を体に取り込むに越したことはないですが、死滅でも腸内にいる善玉菌のエサとなって腸内環境の維持に役立ってくれています。
『甘米麹(=固作り甘酒)』の作り方
①炊飯器
②清潔なふきん
③甘酒を保存する容器「保存瓶」 なくてもOK、お持ちの容器で代用しましょう
長期間安全に保存するために、保存容器には熱湯消毒できる瓶がおすすめ。
④噴霧用アルコール「パストリーゼ」 なくてもOK
保存容器が熱湯消毒できない場合は、容器にアルコール噴霧しておくことをおすすめします。我が家でよく使っている除菌スプレー(アルコール)。食品添加物で、万が一食品にかかっても安心。食品会社の展示会に招待されたときにサンプルをいただいてからずっと愛用しています♪
米麹(生でも乾燥でも):300g
水:500ml
麹300gに対し、水を600~900mlと増やしていくともう少し緩いいわゆる『飲む甘酒』のようになります。その場合は、4時間以上の保温が必要。
全体が混ざるように、清潔な箸やスプーンで混ぜましょう。
あらかじめ水を60℃程度に温めておくと、発酵がより進みやすくなります。
清潔なふきんを水で濡らして絞り、炊飯器の上からかぶせましょう。この時炊飯器のフタは閉めないで!
フタを閉めると中の温度が70℃くらいになり、酵素が失活して発酵が進みません。ふきんはホコリ除けと乾燥防止の役割があります。
甘くなっていなければ、引き続き保温しましょう。
砂糖とはまた別の優しい甘さをもつ甘米麹は、うま味もたっぷり。
ぜひ、そのまま飲んだり、色々な料理に活用しましょう!
甘酒として飲むなら
「お湯1:甘麹1」くらいに割って飲みましょう。(分量は甘さを確認しながらお好みで)
お湯の代わりに、温めた豆乳や牛乳、ヨーグルトと混ぜて飲むのもおすすめ♪嬉しい栄養価がUPします♪
砂糖の代わりに使うなら『目安は、砂糖の2倍量』
砂糖に代用するなら、使用量の目安は、砂糖の約2倍!
出来た甘米麹は、作ったときの室温や炊飯器によって甘さも変わってくるので一概には言えませんが、筆者は2倍を目安に使用しています。
お好みで適宜調整ください。
保存期間・保管場所
冷蔵庫で2週間を目安に使い切るようにしましょう。
多い場合は、冷凍保存→冷蔵庫で解凍すると良いでしょう。
甘酒を飲む・食べる・使う場合の注意点
甘酒の糖は、酵素の力で分解された単糖(ブドウ糖)がメインです。消化吸収しやすい分、血糖値も上がりやすい特徴があります。
栄養価は高いのですが、栄養過多になっている方が飲むには、血糖・肥満の面ですこし心配があるのも事実…。
空腹時に飲むことは避け、1日に摂取する量には気を付けましょう!
ちなみにレシピ考案者の富永さんが飲む量は、1日におちょこ1杯だそうです。
疾患があるかたが、飲料として飲むより、砂糖の代わりに調味料として適量を料理に使う程度としましょう。
繰り返しになりますが、加熱した後の死菌にも整腸作用はあり、アミノ酸は分解されずに残ります。
私は1日に多くて10名ほど栄養指導することがありますが、糖尿病患者さんで「毎日甘酒飲じゃった~」という人は、だいたい血糖悪化してます…!
自分にあった摂り方で甘米麹(甘酒)を楽しみましょう~♪
参考にさせて頂きました!
1)発酵日和 普段の生活で発酵を楽しむ。コツやレシピ満載の発酵Webメディア。
2)「富永美樹の腸が変われば、病気にならない」2017年発行(書籍。残念ながらもう廃盤のようです)
コメント