こんにちは、管理栄養士まるこです。
普段の栄養指導に役立てるために、時々自分の血糖値を測定しています。
血糖値の急上昇は血管内壁にダメージを与え、健康や美容の面からも好ましくはありません。
普段の食生活で血糖値の乱高下はなるべく防ぎたいところ。
前回の記事では食前に牛乳飲むと血糖値の急上昇をみごとに防ぐことができることが分かりました。
では、「豆乳」ではどうでしょう?
今回は、食前に「無調整豆乳」を飲んで血糖値の急上昇を抑えることはできるのか?についてFreeStyleリブレを使って測定した結果をご報告します。
リブレの測定値は正確には血糖値ではなく間質液中のグルコース濃度を血糖値に補正した近似値です。
グルコース濃度と血糖値は相関するといわれていますが、グルコース濃度は血糖値より若干遅れて変化します。分かりにくいので本記事では「血糖値」と表現しています!
詳しい測り方についてはこちら→「血糖値はどうやって図っているの?」。
「ごはん100g」VS「豆乳→ごはん100g」
比較するのは、ごはん100gを食べた後の血糖値の推移です。
ごはんだけ食べたときと、
無調整豆乳を飲んですぐごはんを食べたときで比較します。
ごはんは100g。豆乳は200mLです。
豆乳を飲まなかったときの食後血糖値
ごはんだけ食べたときの食後血糖はこちら。
食後血糖のピークは168mg/dL。
140mg/dL以上は「血糖値スパイク」と呼ばれていますが、みごとに血糖スパイク状態。
高血糖により血管がダメージを受けることに・・・。
豆乳を先に飲んだときの食後血糖値
ピークは135mg/dL!偶然にも(?)牛乳を飲んだ時と同じです!
ぎりぎり血糖値スパイクが起こっていません。
この2つを比べると、
豆乳を食前に飲むだけで、ピークはだいぶ抑えられるようです!
豆乳ってどんな食品?
そもそも豆乳とは。
原料は大豆。
豆腐に固める前の乳液の状態のものが豆乳です。
加工する過程で大豆に含まれている食物繊維はほとんどなくなってしまいますが、その分消化吸収しやすいようになっています。
そして、豆乳は鉄分が多い食品です。
ちなみにゆでたほうれん草100gあたり鉄0.9㎎です。
豆乳1本(1.1mg)はほうれん草を上回る鉄分が補給できます。
そして、美容に嬉しいイソフラボンも含まれます♪
牛乳と豆乳、どちらが身体に良いのかしら?どっちを飲むべき?
といった質問を栄養指導でよく頂きますが、
このふたつは全く別物です。
牛乳をはじめ乳製品は、カルシウムや乳タンパク(ホエイ、カゼイン)の補給になる。
豆乳をはじめ納豆や豆腐などの大豆製品は、良性の植物性たんぱく質の補給になる。
どちらも身体には必要で、どちらも同じ製品内(乳製品内、大豆製品内)で代用可能です。
どちらも飲み過ぎは禁物。
1日にコップ1杯(200mL)程度が目安です。
結果の考察
ごはんと豆乳の栄養成分はこのような感じです。☟
ごはん100g | 豆乳200mL | 豆乳200mL+ごはん100g | |
---|---|---|---|
エネルギー | 168 kcal | 113 kcal | 281 kcal |
たんぱく質 | 2.5 g | 8.3 g | 10.8 g |
脂質 | 0.3 g | 7.3 g | 7.6 g |
炭水化物 | 37.1 g | 3.7 g | 40.8 g |
(糖質) | ( 36.8 g ) | ( 3.3 g ) | ( 40.1 g ) |
(食物繊維) | ( 0.3 g ) | ( 0.4 g ) | ( 0.7 g ) |
コップ1杯(200mL)でタンパク質8g以上とれる優秀食材。
しかも大豆タンパクは植物性にも関わらずアミノ酸スコアが高く、良質なタンパク質です。
なぜ血糖値のピークが抑えられたのか、予想してみます。
(1)豆乳に含まれるたんぱく質と脂質が、ごはんの消化・吸収速度をゆっくり遅くしたこと
(2)豆乳に含まれる食物繊維が、ごはんの消化・吸収速度をゆっくり遅くしたこと
(3)食前に適量食品摂ることで、身体がインスリンを分泌する準備ができ、血糖を下げやすくなったこと(※食事の15分くらい前に食べるとより効果的と言われます)
などの理由が考えられます。
結論;豆乳は食後血糖の急上昇を防いでくれる
ほんと、主食(糖質、炭水化物)の単品食べは恐ろしいですね。
栄養バランスも偏って良いことなしです。
バランスよく食べようね!
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