こんにちは、管理栄養士まるこです。
普段の栄養指導に役立てるために、時々自分の血糖値を測定しています。
血糖値の急上昇は血管内壁にダメージを与え、健康や美容の面からも好ましくはありません。
普段の食生活で血糖値の乱高下はなるべく防ぎたいところ。
今回試してみるのは「具沢山のみそ汁」です。
今回は食前に「具沢山みそ汁」を食べて血糖値の急上昇を抑えることはできるのか?についてFreeStyleリブレを使って検証したいと思います。
食べたみそ汁の重量は、
野菜140g + 豆腐70g + 汁70g
→ 合計280g。
結構な重さです。
使用されている野菜は、大根・紫玉ねぎ・ほうれん草・しめじの4種類。
すこし大根と玉ねぎの割合が多めです。
それではさっそくみていきましょう。
リブレの測定値は正確には血糖値ではなく間質液中のグルコース濃度を血糖値に補正した近似値です。
グルコース濃度と血糖値は相関するといわれていますが、グルコース濃度は血糖値より若干遅れて変化します。分かりにくいので本記事では「血糖値」と表現しています!
詳しい測り方についてはこちら→「血糖値はどうやって図っているの?」。
「ごはん100g」VS「具沢山みそ汁→ごはん100g」
比較するのは、ごはん100gを食べた後の血糖値の推移です。
ごはんだけ食べたときと、
具沢山みそ汁を食べてすぐごはんを食べたときで比較します。
ごはんは100g。みそ汁は280gです。
野菜を飲まなかったときの食後血糖値
ごはんだけ食べたときの食後血糖はこちら。
食後血糖のピークは168mg/dL。
140mg/dL以上は「血糖値スパイク」と呼ばれていますが、みごとに血糖スパイク状態。
高血糖により血管がダメージを受けることに・・・。
具沢山みそ汁を先に飲んだときの食後血糖値
食後血糖のピークは130mg/dL。
しっかりピークを抑えていることができています。
みそ汁を食べたとき、食べなかったときで比べてみます。☟
みそ汁を飲むことで、血糖値のピークが10~20分ほど遅くなり、上昇も幅も低くなります。
結果の考察
ごはんの栄養成分はこのような感じです。☟
ごはん100g | |
---|---|
エネルギー | 168 kcal |
たんぱく質 | 2.5 g |
脂質 | 0.3 g |
炭水化物 | 37.1 g |
(糖質) | ( 36.8 g ) |
(食物繊維) | ( 0.3 g ) |
ごはん100gの糖質量(糖質36.8g)であれば、食前に具沢山のみそ汁(具だけで200g以上)を食べるだけで、食後高血糖を抑えられることが分かりました。
なぜ血糖値のピークが抑えられたのか、予想してみます。
(1)野菜に含まれる食物繊維が、ごはんの消化・吸収速度をゆっくり遅くしたこと
(2)食前にゆっくり野菜を摂ることで、身体がインスリンを分泌する準備ができ、血糖を下げやすくなったこと(本当は食事の15分前くらいに食べるとより効果的と言われます)
などの理由が考えられます。
前回、生野菜(コンビニのカット野菜)を食べたときも血糖値のピークを抑えることができました。
単純に生野菜のときの結果と比べてみると、みそ汁のほうが少し血糖値が上昇しました。
いずれにせよ、野菜を食前に食べることで血糖のピークは抑えられそうです。
結論;具がいっぱいのみそ汁は、食後血糖の急上昇を防いでくれる
具沢山みそ汁とごはんの組み合わせは栄養バランス的にも◎
食後血糖値を抑えることもできるなんて!ほんと日本食は理にかなっていますね^^
みそ汁は、好きな野菜とたんぱく質源(大豆製品や魚、卵、肉など)を一緒に茹でて、ダシ入り味噌を溶かせば、誰でも簡単に作ることができます。
みそ汁1品でも、具沢山にすればそれだけで立派なおかずに♪
忙しくて調理の時間が十分に取れない…という方でも、普段の食生活に取り入れられると良いですね。
なんでもバランスよく食べようね!
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