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「学会」ってなに?参加するメリットと病院栄養士におすすめの学会をご紹介

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  • 「学会」ってよく聞くけど、どんなことしているの?
  • 入会しなくても学会の話って聞けるの?
  • 入会するメリットは?
  • 病院栄養士におすすめの学会って?

こういった疑問に答えます。

新人栄養士

新しい臨床栄養の話題についていけない…。みんなどこから情報を仕入れているの?

新人栄養士

最近、仕事が単調になってきた。いまいちモチベーションが上がらないなぁ。

こんな悩みを抱えていたら、一度学会に参加してみることをおすすめします!

学会へ参加することで、最新の知見を入手できたり、他施設の発表を聞いて自分の業務改善に役立てたり、認定資格の単位を取得できたりもします。

それはそうと、「学会」ってみなさんいつごろから意識するようになるのでしょうか?

まるこ

私のような地方の意識低い系栄養士専攻の学生は、病院に就職するまで「学会」の存在すら知りませんでした…。

今回は、当時の私のような「学会?なにそれ?」レベルの方にも分かりやすく説明します。

この記事を読むことで、こんなことが分かります

  • 学会ってなに?
  • 学会に「参加する」=「入会する」ではない!
  • 学会へ参加・入会するベストなタイミング
  • 学会に参加・入会するメリットとデメリット
  • 病院栄養士におすすめの学会6つ

それでは、さっそく見ていきましょう。

目次

学会ってなに?

学会は、学問や研究の従事者らが、自己の研究成果を公開発表し、その科学的妥当性をオープンな場で検討論議する場である。また同時に、査読、研究発表会、講演会、学会誌、学術論文誌などの研究成果の発表の場を提供する業務や、研究者同士の交流、文化団体として学者の利益を代表するなどの役目も果たす機関でもある。

引用:Wikipedia

要するに学会とは、同じ学問について研究し、研究した内容を公共の場で発表・討論する場所です。

発表・討論することで、研究内容の信頼性や妥当性を評価していきます。

日本に限らず世界には医療分野以外にもたくさんの学会があり、その道の専門家や携わる人たちが集まって研究しています。

学会では、学問や研究の従事者がこれまでの成果や進捗状況を発表するために学会発表(集会集会)を行ったり、研究論文など記した学会誌(学術雑誌)を定期的に刊行したり、教育セミナーや研修会、シンポジウムを開催したりしています。

学会に「参加する」=「入会する」ではない!

「学会(学術集会やセミナー)への参加」は、多くの場合、学会員でなくても可能です。

参加費を払えば学会に入会しなくても学術集会(等)に参加でき、最新の研究や他施設での症例発表を聞くことができます。

よく聞く「学会に参加してきたよ~」の多くは、「学会が開催する学術集会や総会、セミナーに参加したよ~」ということを意味しています(すべてを断言することはできませんが!)。

学術集会の多くは、年1回程度、開催されます。

会場はその年により異なり、全国で開催されています。(日時・会場は学会HPでチェック!)

学会に入会すると、学会員として、会費を納めて会員としての権利が得られます。

学会誌が届いたり、研究発表ができたり、学会に認定資格があれば要件を満たすことで試験を受験できたりします。

学会に参加するメリットとデメリットは?

メリット

学会に参加するメリット

  •  最新の研究発表を聞いて、新しい臨床栄養の情報が分かる
  •  有益な情報や活用方法が分かる
  •  栄養士としての知識の底上げ
  •  参加者や発表者の姿勢をみて刺激を受け、仕事のモチベーション維持に繋がる
  •  他施設の症例発表を聞くことで、悩みの共有ができたり他施設で行う工夫が参考になったりする。日々の業務に活かせる。
  •  認定資格の単位を取得できる
  •  自分が発表者の場合は、日頃の業務や研究の成果を公表することで、他者・他職種から評価を受け、科学的な妥当性を検討できる
  •  学会の翌日に有給をもらうなど、うまくいけばプチ旅行を楽しむことができる

学会に入会するメリット

  • 認定資格試験に合格すれば、認定資格が取得できる

認定資格とは、〇〇学会や〇〇機構が認定している次のような資格です。
認定資格一例:
 ・「NST専門療法士」:日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)
 ・「病態栄養専門管理栄養士」:日本病態栄養学会
 ・「がん病態栄養専門管理栄養士」:日本病態栄養学会
 ・「日本糖尿病療養指導士」:一般財団法人日本糖尿病療養指導士認定機構
認定試験の受験や亢進する際に、それぞれ認める学会に参加して必要単位数を取得する必要があります。

デメリット

学会に参加するデメリット

  • 学会参加の費用がかかる
  • 交通費や宿泊費がかかる(会場は全国どこでも開催されます)

職場によっては、自分の所属する部署や委員会で、研修費用・出張費用を出してくれる場合があるので所属長に要相談です。

学会に入会するデメリット

  • 年会費がかかる
  • 認定資格を取得した場合、更新費がかかる
  • 認定資格を取得した場合、次の更新までに学会が主催する学術集会へ参加が必要(お金がかかる)

学会に入会するタイミング

新人栄養士

「学会への参加」はいまの私でもできそう!
でも、わざわざ「学会に入会する」必要ってあるのかな?
他の人はいつどんなタイミングで入会したんだろ…。

私が思う入会のタイミングは、該当学会の認定資格を取得したいとき、です。

「学会内で活躍したい」「この分野を研究したい」などの気持ちがあるなら入会すべきですが、興味があるからといって明確な目的もなく適当な学会に入会するのはあまりおすすめしません…!

入会しても年会費などでお金がかかる割に、メリットが少ないからです。

最新研究の内容やその見解が知りたければ、学会が主催する学術集会などに参加すべきですし、専門雑誌の「臨床栄養」や「ヘルスケアレストラン」からも入手できます。

私は唯一、日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)に入会しているのですが、入会したきっかけは、

NST専門療法士の資格取得のため、です。

入会後は特に学会員らしい活動はしておらず、JSPENからはメールや学会誌が届くようになりました。

病院栄養士におすすめの学会

私がおすすめする学会はおもに6つあります。

実際に参加したり、今後参加して話を聞いてみたいなと思っている学会です。

また、栄養に直接関係するわけではないですが、専門分野の知識の底上げになりそうな学会を「その他の学会」に4つまとめました。

まるこ

「その他の学会」の中で、私は「日本褥瘡学会」と「日本糖尿病学会」に参加したことがあります。興味のある分野だと栄養以外の話でも新たな発見があり面白かったです!

おすすめ学会6つ

①日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)

  • 会員数:23,557名 (2023年2月28日現在)
  • 学術集会:5月頃
  • 年会費:9,000円
  • 認定資格:NST専門療法士、臨床栄養代謝専門療法士 など
  • HP:日本臨床栄養代謝学会

通称JSPEN(ジャスペン)。旧称は、日本静脈経腸栄養学会です。

会員数が約2万人で、臨床栄養系の学会では世界有数。

病態栄養管理、静脈経腸栄養関連の情報が多いです。

②日本病態栄養学会

  • 会員数:9,000名以上 (2018年時点)
  • 学術集会:1月頃
  • 年会費:10,000円
  • 認定資格:病態栄養専門管理栄養士、がん・腎臓病・糖尿病・病態栄養専門管理栄養士 など
  • HP:日本病態栄養学会

栄養士が取得できる学会認定資格が沢山あります。

臨床医、栄養学研究者、管理栄養士が一同に参加して疾患の病態研究を行い、効率の良い栄養療法の実践と新たな栄養療法の開発を目指す学会です。

医療と栄養学の連携に力を入れています。

③日本摂食嚥下リハビリテーション学会

いまとても勢いのある学会だと思います。

「リハなくして栄養ケアなし、栄養ケアなくしてリハなし」という言葉は有名ですね。

嚥下食基準の議論に終止符を打った(?)、『日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2021』を作成した学会です。

④日本食事療法学会

  • 会員数:50,000名以上(主催する日本栄養士会の会員数
  • 学術集会:3月頃
  • 年会費:【日本栄養士会会費】6,500円+【県栄会費】8,000円
  • HP:日本食事療法学会

栄養士会が主催であり、食品栄養や給食分野に特化しています。

馴染みがあり、聞きやすい情報が多いです。

⑤日本臨床栄養学会

  • 会員数:? 約千人
  • 学術総会:10月頃
  • 年会費:9,000円
  • 認定資格:管理栄養士が取得できるものはなし
  • HP:日本臨床栄養学会

会員は医師と管理栄養士が多いと思います。食品系・生活習慣病系など情報の幅は広いです。

⑥日本栄養・食糧学会

  • 会員数:3,000名以上(2023年4月1日現在)
  • 学術総会:5月頃
  • 年会費:10,000円
  • 認定資格:なし
  • HP:日本栄養・食糧学会

栄養科学及び食糧科学に関する研究成果および関連情報の提供を行っています。日本食品標準成分表に記載されている食品を対象として、遊離アミノ酸含量表も作成されています(学会HPにデータあり)!

私も学会大会にWeb参加したことがありますが、食品の栄養成分や味覚感じ方など食品学中心の話を聞くことができ、栄養士としてとても興味深かく、純粋に楽しかったです。

その他の学会4つ

診療ガイドラインを作成したりしている大きな学会です。

栄養に関する内容は一部に限られますが、自分の担当診療科に関係する学会に参加することで、日常の業務に役立つ情報が得られます。

迷ったらこの学会がおすすめ!

おすすめ学会をたくさんあげてみましたが、

新人栄養士

結局どこが良いのよ!わかんない!

と思ったら、ひとまず次のふたつをおすすめします。

管理栄養士が活躍できて会員数も多い大きな学会。それぞれの学会で認定資格があるので、もし今後「認定資格を取りたい!」と思ったときに単位数稼げるから、です。

まとめ

学会選びに迷ったら、興味がある分野や自分の得意を伸ばせる分野の学会、職場で求められている認定資格がある学会を選びましょう!

学習意欲が高い、または仕事のモチベーションが維持できない…そんな時はぜひ学会に参加してみましょう!!

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この記事を書いた人

管理栄養士歴11年目。
NST専門療法士、地域糖尿病療養指導士の資格あり。
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