こんにちは、まるこです。
今回は、「日本人の食事摂取基準」についてまとめました。
「日本人の食事摂取基準」とは?
厚生労働省が健康増進法に基づき、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準について定めたものです。
つまり、日本人がどのくらいのエネルギーや栄養素を摂るべきかの目安になります。
基準は5年毎に改定されており、2022年現在、最新版は2020年版となります。管理栄養士の国家試験では、改定後変更点の勉強は必須ですね。
策定した目的
- 国民の健康の保持・増進
- 生活習慣病の発症予防および重症化予防
- 高齢者の低栄養やフレイル(※)予防
(2020年度版)
※フレイルとは、加齢により体や心のはたらき、社会的なつながりが弱くなった状態。そのまま放置すると要介護状態になる恐れがあります。
対象
- 健康な個人または集団
- 生活習慣病危険因子(高血圧や脂質異常、高血糖など)があっても、自立した日常生活を営んでいる者
- 高齢者で、健常状態と要介護状態の中間的な段階であっても、自立した日常生活を営んでいる者
(2020年度版)
基準を定めた栄養素
2020年版で基準を策定しているのは、エネルギー及び以下の栄養素です。
- タンパク質
- 脂質(飽和脂肪酸、n─6 系脂肪酸、n─3 系脂肪酸、コレステロール)
- 炭水化物(食物繊維、糖類(単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないものに限る))
- ビタミン(A、D、E、K、B1、B2、ナイアシン、B6、B12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、C)
- ミネラル(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン)
※ピンク下線の栄養素は、国民の栄養摂取状況からみて、過剰な摂取が健康の保持増進に影響を与えている栄養素です。他は、欠乏が健康の保持増進に影響しているとして基準を定めた栄養素です。
ちなみに今回(2020年版)の改訂では、フレイル予防の観点から65歳以上の高齢者のタンパク質エネルギー比率の引き上げや、生活習慣病予防の観点から成人の食塩目標量を0.5 g/日引き下げ(男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満へ・・!)などが変更となりました。
病院毎に作成されてる「院内約束食事箋」は、この「日本人の食事摂取基準」から栄養素の数値を検討しています。
まとめ
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」は、健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進や生活習慣病の予防、高齢者のフレイル予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示したもの。エネルギー及び栄養素の摂取の過不足を判断、評価することができます。
参考資料
厚生労働省HP:概要や基準など詳しい内容を確認することができます。
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