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【2022年度 診療報酬改定】栄養に関する項目まとめ

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こんにちは、まるこです。

いまさらではありますが、厚生労働省のHPを参考にして、2022年度診療報酬改定を管理栄養士目線でまとめてみました。

個人が勝手にまとめた記事になりますので、直接業務で関わる場合は、厚生労働省のHPより原文を参照されることをお勧めします。

まるこ

今回の改訂で、管理栄養士の業務・スキルが評価されたことが分かります。
嬉しい反面、私個人としては、栄養のプロとして周りの期待に見合った働きができるのか不安も…。
日々、知識を増やし経験を積んで、精進しないと~。

目次

2022年診療報酬改定・栄養に関する項目

栄養関連で新設されたのは主に以下3つ。

(新)入院栄養管理体制加算

(新)周術期栄養管理実施加算

(新)特定機能病院リハビリテーション病棟入院料

見直しされたものは主に以下6つ。

(改)早期栄養介入管理加算の算定要件の見直し

(改)栄養サポートチーム加算の見直し

(改)褥瘡対策の見直し

(改)摂食嚥下支援加算の見直し(摂食嚥下機能回復体制加算)

(改)情報通信機器等を用いた外来栄養食事指導料の見直し

(改) 外来栄養食事指導料の見直し外来化学療法に係る栄養管理の充実)

参考:日本栄養士会HP「令和4年度 診療報酬改定 栄養関連項目(概念図)」をもとに作成

特定機能病院は、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院として、第二次医療法改正において平成5年から制度化され、令和4年12月1日現在で88病院が承認されています。(引用:厚生労働省HP

1つずつみていきます。

入院栄養管理体制加算(新)

患者の病態・状態に応じた栄養管理を推進する観点から、特定機能病院において、管理栄養士が患者の状態に応じたきめ細かな栄養管理を行う体制について、入院栄養管理体制加算を新設する。
✔ 退院後の栄養食事管理に関する指導を行い、入院中の栄養管理に関する情報を他の保険医療機関等に提供した場合について評価する。

(新) 入院栄養管理体制加算 270点(入院初日及び退院時)

[対象患者]
特定機能病院入院基本料を算定している患者

[算定要件]
(1)特定機能病院入院基本料を現に算定している患者に対して、管理栄養士が必要な栄養管理を行った場合に、入院初日及び退院時にそれぞれ1回に限り所定点数に加算する。この場合において、栄養サポートチーム加算及び入院栄養食事指導料は別に算定できない。
入院栄養管理体制加算については、病棟に常勤管理栄養士を配置して患者の病態・状態に応じた栄養管理を実施できる体制を確保していることを評価したものであり、病棟の管理栄養士は、次に掲げる管理を実施する。

ア 入院前の食生活等の情報収集、入退院支援部門との連携、入院患者に対する栄養スクリーニング、食物アレルギーの確認、栄養状態の評価及び栄養管理計画の策定を行う。
イ 当該病棟に入院している患者に対して、栄養状態に関する定期的な評価、必要に応じたミールラウンド、栄養食事指導又は当該患者の病態等に応じた食事内容の調整等の栄養管理を行う。
ウ 医師、看護師等と連携し、当該患者の栄養管理状況等について共有を行う。

(2)別に厚生労働大臣が定める患者に対して、退院後の栄養食事管理について指導するとともに、入院中の栄養管理に関する情報を示す文書を用いて患者に説明し、これを他の保険医療機関、介護老人保健施設等又は指定障害者支援施設等若しくは福祉型障害児入所施設と共有した場合に、退院時1回に限り、栄養情報提供加算として50点を更に所定点数に加算する。

[施設基準]
(1)当該病棟において、専従の常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること。
(2)入院時支援加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。
(3)栄養情報提供加算の対象患者は、疾病治療の直接手段として、医師の発行する食事箋に基づき提供された適切な栄養量及び内容を有する特掲診療料の施設基準等別表第三に掲げる特別食を必要とする患者、がん患者、摂食機能若しくは嚥下機能が低下した患者又は低栄養状態にある患者であること。

引用:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」より

周術期栄養管理実施加算(新)

周術期における適切な栄養管理を推進する観点から、管理栄養士が行う周術期に必要な栄養管理について、周術期栄養管理実施加算を新設する。

(新) 周術期栄養管理実施加算 270点(1手術に1回)

[算定対象]
全身麻酔を実施した患者

[算定要件]
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、手術の前後に必要な栄養管理を行った場合であって、区分番号L008に掲げるマスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を伴う手術を行った場合は、周術期栄養管理実施加算として、270点を所定点数に加算する。

(1)周術期栄養管理実施加算は、専任の管理栄養士が医師と連携し、周術期の患者の日々変化する栄養状態を把握した上で、術前・術後の栄養管理を適切に実施した場合に算定する。
(2)栄養ケア・マネジメントを実施する際には、日本臨床栄養代謝学会の「静脈経腸栄養ガイドライン」又はESPENの「ESPENGuideline:Clinical nutrition in surgery」等を参考とし、以下の項目を含めること。なお、必要に応じて入院前からの取組を実施すること。
「栄養スクリーニング」、「栄養アセスメント」、「周術期における栄養管理の計画を作成」、「栄養管理の実施」、「モニタリング」、「再評価及び必要に応じて直接的な指導、計画の見直し」
(3)(2)の栄養ケア・マネジメントを実施する場合には、院内の周術期の栄養管理に精通した医師と連携していることが望ましい。

この場合において、特定機能病院入院基本料の注11に規定する入院栄養管理体制加算並びに救命救急入院料の注9、特定集中治療室管理料の注5、ハイケアユニット入院医療管理料の注4、脳卒中ケアユニット入院医療管理料の注4及び小児特定集中治療室管理料の注4に規定する早期栄養介入管理加算は別に算定できない

[施設基準]
(1)当該保険医療機関内に周術期の栄養管理を行うにつき十分な経験を有する専任の常勤の管理栄養士が配置されていること。
(2)総合入院体制加算又は急性期充実体制加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。

引用:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」より
まるこ

算定対象は「全身麻酔を実施した患者」。整形外科等を含め、比較的元気な患者であっても手術による一時的な落ち込みからの早期の回復を目指すため、算定の対象となるそうです。

特定機能病院リハビリテーション病棟入院料(新)

令和4年3月31日をもって廃止予定であった特定機能病院における回復期リハビリテーション病棟入院料について、現に届出がなされている特定機能病院の病棟において一定程度の役割を果たしていることが確認されることから、特定機能病院におけるリハビリテーションに係る役割を明確化することとし、「特定機能病院リハビリテーション病棟入院料」と位置付け、当該入院料に係る施設基準を見直す。

引用:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」より

早期栄養介入管理加算の算定要件の見直し

早期栄養介入管理加算について、経腸栄養の開始の有無に応じた評価に見直す。

現行改定後
【早期栄養介入管理加算】
[算定要件]
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合している
ものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院して
いる患者に対して、入室後早期から経腸栄養等の必要
な栄養管理を行った場合に、早期栄養介入管理加算と
して、入室した日から起算して7日を限度として400
点を所定点数に加算する。

[施設基準]
・当該治療室内に集中治療室における栄養管理に関す
る十分な経験を有する専任の管理栄養士が配置されて
いること。
【早期栄養介入管理加算】
[算定要件]
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者に対して、入室後早期から必要な栄養管理を行った場合に、早期栄養介入管理加算として、入室した日から起算して7日を限度として250点(入室後早期から経腸栄養を開始した場合は、当該開始日以降は400点)を所定点数に加算する。ただし、区分番号B001の10に掲げる入院栄養食事指導料は別に算定できない。

[施設基準]
イ 当該治療室内に集中治療室における栄養管理に関する十分な経験を有する専任の管理
栄養士が配置されていること。
当該治療室において早期から栄養管理を行うにつき十分な体制※が整備されていること。

※ 当該治療室において、早期から栄養管理を実施するため日本集中治療医学会の「日本版重症患者の
栄養療法ガイドライン」を参考にして院内において栄養管理に係る手順書を作成し、それに従って必
要な措置が実施されていること。また、栄養アセスメントに基づく計画を対象患者全例について作成
し、必要な栄養管理を行っていること。
引用:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」より

栄養サポートチーム加算の見直し

算定対象となる入院料として、障害者施設等入院基本料を追加する。(月1回)

引用:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」より

褥瘡対策の見直し

入院患者に対する褥瘡対策を推進する観点から、褥瘡対策の実施内容を明確化する。

現行改定後
【入院基本料及び特定入院料に係る褥瘡対策】
[施設基準]
4 褥瘡対策の基準
(新設)
【入院基本料及び特定入院料に係る褥瘡対策】
[施設基準]
4 褥瘡対策の基準
(1)~ (3) (略) (変更なし)
(4) 褥瘡対策の診療計画における薬学的管理に関する事項及び栄養管理に関する事項については、当該患者の状態に応じて記載すること。必要に応じて、薬剤師又は管理栄養士と連携して、当該事項を記載すること。なお、診療所において、薬学的管理及び栄養管理を実施している場合について、当該事項を記載しておくことが望ましい。
(5) 栄養管理に関する事項については、栄養管理計画書をもって記載を省略することができること。ただし、この場合は、当該栄養管理計画書において、体重減少浮腫等の有無等の別添6の別紙3に示す褥瘡対策に必要な事項を記載していること。

(6)~ (8) (略) (変更なし)
引用:厚生労働省 褥瘡対策に関する診療計画 栄養に関する事項
引用:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」より

摂食嚥下支援加算の見直し(摂食嚥下機能回復体制加算)

中心静脈栄養や鼻腔栄養等を実施している患者の経口摂取回復に係る効果的な取組を更に推進する観点から、摂食嚥下支援加算について、名称、要件及び評価を見直す。

経口摂取回復に係る効果的な取組を更に推進する観点から、要件及び評価を見直し、名称を摂食嚥下機能回復体制加算に変更する。

引用:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」より
引用:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」より
引用:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」より

情報通信機器等を用いた外来栄養食事指導料の見直し

初回から情報通信機器等を用いて栄養食事指導を行った場合の評価を見直す。

現行改定後
【外来栄養食事指導料】
イ 外来栄養食事指導料1
(1)初回 260点
(2)2回目以降
①対面で行った場合 200点
②情報通機器を用いた場合 180点
ロ 外来栄養食事指導料2
(1)初回 250点
(2)2回目以降 190点

[算定要件]
注3 イの(2)の②については、保険医療機関の医師の指示に基づき当該保険医療機関の管理栄養士が電話又は情報通信機器等によって必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定する。
注4 ロについては、診療所において、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、保険医療機関の医師の指示に基づき当該保険医療機関以外の管理栄養士が具体的な献立等によって指導を行った場合に、初回の指導を行った月にあっては月2回に限り、その他の月にあっては月1回に限り算定する。
(新設)
【外来栄養食事指導料】
イ 外来栄養食事指導料1
(1)初回
①対面で行った場合 260点
②情報通機器等を用いた場合 235点

(2)2回目以降
①対面で行った場合 200点
②情報通機器等を用いた場合 180点
ロ 外来栄養食事指導料2
(1)初回
①対面で行った場合 250点
②情報通機器等を用いた場合 225点

(2)2回目以降
①対面で行った場合 190点
②情報通機器等を用いた場合 170点


[算定要件]
注4 イの(1)の②及び(2)の②については、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、保険医療機関の医師の指示に基づき当該保険医療機関の管理栄養士が電話又は情報通信機器によって必要な指導を行った場合に、初回の指導を行った月にあっては月2回に限り、その他の月にあっては月1回に限り算定する。
注5 ロの(1)の①及び(2)の①については、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、保険医療機関(診療所に限る。)の医師の指示に基づき当該保険医療機関以外の管理栄養士が具体的な献立等によって指導を行った場合に、初回の指導を行った月にあっては月2回に限り、その他の月にあっては月1回に限り算定する。
注6 ロの(1)の②及び(2)の②については、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、保険医療機関(診療所に限る。)の医師の指示に基づき当該保険医療機関以外の管理栄養士電話又は情報通信機器によって必要な指導を行った場合に、初回の指導を行った月にあっては月2回に限り、その他の月にあっては月1回に限り算定する。
引用:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」より

外来栄養食事指導料の見直し外来化学療法に係る栄養管理の充実)

外来化学療法を実施するがん患者の治療において、専門的な知識を有する管理栄養士が患者の状態
に応じた質の高い指導を実施した場合について、新たな評価を行う。

現行改定後
【外来栄養食事指導料】
イ 外来栄養食事指導料1

[算定要件]
(新設)

[施設基準]
(新設)
【外来栄養食事指導料】
[算定要件]
注3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機
関において、外来化学療法を実施している悪性腫瘍の患者に対して、医師の指示に基づき当該保険医療機
関の専門的な知識を有する管理栄養士が具体的な献立等によって指導を行った場合に限り、月1回に限り
260点
を算定する。
[留意事項]
専門的な知識を有した管理栄養士が医師の指示に基づき、外来化学療法を実施している悪性腫瘍の患者
ごとにその生活条件、し好を勘案した食事計画案等を必要に応じて交付し、療養のため必要な指導を行っ
た場合に算定する。
[施設基準]
(1) 悪性腫瘍の栄養管理に関する研修を修了し、かつ、栄養管理(悪性腫瘍患者に対するものを含む。)
に係る3年以上の経験を有する
専任の常勤の管理栄養士が配置されていること。
(2) (1)に掲げる悪性腫瘍の栄養管理に関する研修とは、次の事項に該当する研修のことをいう。
ア 医療関係団体等が実施する300時間以上の研修であること。
悪性腫瘍の栄養管理のための専門的な知識・技術を有する管理栄養士の養成を目的とした研修である
こと。
まるこ

医療関係団体等が実施する研修とは…?
がん病態栄養専門管理栄養士の研修でしょうか?

引用:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」より

記事作成にあたり参考にさせていただいたサイト様

診療報酬 | 公益社団法人 日本栄養士会 (dietitian.or.jp)

診療報酬改定 – 調べる | 栄養指導Navi (healthy-food-navi.jp)

“管理栄養士” の検索結果 | 2022年度 診療報酬改定 データベース (shinryo-hoshu.com)

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この記事を書いた人

管理栄養士歴11年目。
NST専門療法士、地域糖尿病療養指導士の資格あり。
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